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年収1,000万円超えの消防設備士は何をしているのか【電気工事士と比較】

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先日、同業の消防設備士であり、Webメディア「だれでもわかる消防用設備」の管理・運営されている中島さんと対談した際に「年収1,000万円を消防設備士が稼ぐには?」についても話しました。

中島さんは地方である群馬県で独立し、現在は法人化したWebメディアを運営しつつ、個人事業主で消防設備士をされている方です。

結論、消防設備士が年収1,000万円を稼ぐのは「困難」です。

しかし決して不可能ではなく、実際に年収1,000万円以上稼いでいる消防設備士がいることを私は知っています。

今回は独立やフリーランスおよび経営者にならなくても消防設備士が年収1,000万円を稼ぐことができる具体的なキャリア構築プランについて解説していきます。

この記事の信頼性

年収1,000万円プレイヤー消防設備士を目指す方、大事な話をしているので最後までお読み下さい。

 

年収1,000万円超えの消防設備士は何をしているのか

◎ 消防設備士の年収は300~400万円が相場

働く地方に寄りますが、だいたい消防設備士の年収は300~400万円が相場であるといわれています。

つまり年収1,000万円以上を獲得する消防設備士は相場の3倍ほどを稼いでいることから超スタープレイヤーであることは間違いありません。

 

年収のベースを上げる方法3つ

年収の ❝ベース❞ を上げる方法は、シンプルに以下の3つのみでしょう。

年収を上げる方法3つ

  1. 副業
  2. 転職
  3. 出世

このうち「3⃣ 出世」については自分の頑張りだけでは、どうにもならない(≒外的要因つまり環境が左右するところが大きい)です。

よって、もし年収のベースそのものを上げようとするならば「1⃣ 副業」もしくは「2⃣ 転職」のどちらかをすることになります。

消防士・消防設備士にオススメの副業は「消防士こそ副業すべき理由3つ|オススメの副業も3つ紹介【体験談】」ページをご覧下さい。

参考消防士こそ副業すべき理由3つ|オススメの副業も3つ紹介【体験談】

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◎ 1,000万円以上の粗利を稼ぐには

今、所属している会社でメチャクチャ頑張れば年収1,000万円を達成できる方は、どれ位いらっしゃるでしょうか。

そもそも年収で1,000万円以上という給与を会社が一人に支払う為には、その一人がコンスタントに粗利を得る為の売り上げを作らなければなりません。

もしも出どころが存在しないにも関わらず1,000万円を受け取っているのであれば、それはただの給料泥棒ですからね。
管理人

中島さんは『年収1,000万円ということは売上1億円くらいをあげているレベル‥そんな人いるんだったら会ってみたい。』と表現されていました。

それほど難しいのです。

では実際に存在する年収1,000万円以上を稼ぐ消防設備士は一体何をしているのかについて分析していきます。

 

◎ 消防設備士は「セコカン」もできる

一般的な年収を上げる方法として、その組織の中で「出世」をする手段が挙げられます。

この出世の正体は「管理職および役員になり、より多くの人を動かして組織が得る成果を最大化する役目となること」に他なりません。

 

現場仕事の「出世」ルート2つ

我々現場仕事をする者が「管理職」になる出世パターンとして、主に以下の二つが挙げられます。

「管理職」になるパターン2つ

  • ①組織内で管理業務を担う管理職
  • ②現場で施工管理をする管理職

一般的な出世は①の管理職になることですが、建設業界には施工管理をする管理職、俗に言う「セコカン」があります。

 

例:電気工事士のキャリアピラミッド

例えば電気工事士であれば、以下のキャリアピラミッドが描けます。

もし電気工事士が現場で出世をして、より多くの人を束ねて成果を最大化する管理職になるのであれば、すでに「電気工事施工管理技士」なる分かりやすいキャリアが用意されています。

 

消防設備士のキャリアピラミッド

一方、消防設備士のキャリアピラミッドは以下の通りです。

建設現場に監理技術者として入ったことがある方ならご存じかもしれませんが、他の管工事や電気工事であれば施工管理技士が必要になるところを、消防設備士は「甲種消防設備士」の免状があればOK(≒ 消防施設工事業の主任技術者になれるルール)となっています。

よって一口に「消防設備士」といっても実はセコカン的な役割を果たしている消防設備士が混ざっているわけです。

ここで注意すべきなのが、もし年収1,000万円を稼ぎたいのであれば、少なくとも「セコカンの立ち回りができる仕事をしている会社に属していなければ年収1,000万円に到達できない」ことです。

セコカンの立ち回りができる仕事をしている会社に属していなければ、そもそも年収1,000万円に到達できない!

もし年収1,000万円を達成したいが、今いる会社では無理ゲーだと分かっている方は転職の準備もしておきましょう。

参考消防士・消防設備士の転職が難しい理由|後悔しない転職方法も解説!

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上述した「セコカン」的な立ち回りに加えて、年収1,000万円を稼いでいる消防設備士はプレイしているゲームにも特徴があります。

 

◎ 消防設備業者がプレイする2つのゲーム

もし消防設備士として年収1,000万円を超えたいのであれば、所属する会社が以下のどちらのゲームをしているのかを確認して下さい。

消防設備業者のゲーム2つ

  • ①消防機器取付けゲーム
  • ②消防検査クリアゲーム

念のため言っておきますが、上記の仕事内容に優劣はありません。

私も、どちらも経験しており、どちらが欠けても現場は収まりません。

ただし、メロンパンとステーキの値段が異なるのと同様に、市場で取引される価値が違うことは事実です。

私が知っている年収1,000万円超えの消防設備士は「②消防検査クリアゲーム」において百戦錬磨であり関西No.1とも言われている方です。

月に収めている消防検査の数がウン十件と、文字通り桁違いの実績をコンスタントに残されているスタープレイヤーなのです。

「②消防検査クリアゲーム」をしなければ年収1,000万円超えの消防設備士にはなれない。

もし年収1,000万円プレイヤー消防設備士を目指すのであれば「何とかして消防検査を収めるスキル(※セコカン要素を含む)」が必要になります。

 

◎ 年収1,000万円以上を狙いやすい消防設備士免状の種類

消防設備士の免状は計8種類ありますが、その中で年収1,000万円を狙いやすい甲種消防設備士免状の種類は以下の2種類です。(※乙種のみでは不可)

年収1,000万円を狙える消防設備士免状

  • 甲種1類(スプリンクラー設備、屋内消火栓設備)
  • 甲種4類(自動火災報知設備)

上記2種類は「建物全体に工事が発生する」こと、および「設置義務が生じる建物が多い」ことから年収1,000万円を達成しやすい消防設備士免状です。

むしろ上記2つ以外だと、メーカー勤務以外では年収1,000万円超えは極めて難しいでしょう。

 

甲種2類および甲種3類で年収1,000万円が難しい理由

甲種2類(泡消火設備)や甲種3類(ガス系消火設備)は設置義務が生じる場所が限られている他、消火系メーカーが独占している為、地場の防災屋に属する消防設備士が十分に利益を確保できる状態で業務に従事することが困難です。

 

甲種5類で年収1,000万円が難しい理由

また、甲種5類(避難器具)については施工管理業務が生じるほどの工事ではない為、同じくメーカー勤務の管理職でなければ年収1,000万円は狙えません。

つまり甲種1類および甲種4類以外はスポット的な工事にしか従事できない為、年収1,000万円以上を稼ぐスタート地点にも立てない仕組みとなっているのです。

 

◎ 管理職2つ兼任で鬼に金棒の市場価値

私が知っている年収1,000万円以上を稼ぐ消防設備士の方は現在、中規模の防災屋で管理職もされています。

つまり消防設備士として現場のセコカン業務をすることで消防検査クリアゲームをするだけでなく、組織内でも人を束ねる役目を担う「ダブル成果最大化プレイヤー」なのです。

この現場および組織の管理職2つ兼任するダブル成果最大化プレイヤー(※激レア)になれば年収1,000万円を超えて、さらなる市場価値の提供によって収益を増やすことができるでしょう。

このレベルになれば年収1,000万円を組織内で稼ぐか、それとも自身が独立して会社を起こし、自らのネームバリューで案件を獲得しすることで年収1,000万円が得られる売り上げを作ること、どちらも可能でしょう。

会社にとっては、もしダブル成果最大化プレイヤーがいなくなると売り上げが激減して困ってしまう為、給与額をアップさせて居てもらった方が得策という格好です。

だから結果的に年収1,000万円を稼ぐこともできる状況です。

もし年収1,000万円を稼ぎたいなら、すでに年収1,000万円を稼いでいる消防設備士をモデルとしてマネをしていきましょう!

 

◎ 電気工事士ブロガー(年収1,000万円)のリベルタ様に聞いてみた

ここで実際に電気工事士として年収1,000万円を稼いでおり、さらにブログ「電気工事士デポ」を管理・運営されている年収1,000万円プレイヤー電気工事士のリベルタ様(@liberta0101)に話を伺った結果、以下の通り回答を頂きました。

リベルタ

電気工事士ブロガー

私が従事する電気工事業界にも消防設備士業界と同じことがいえますが、 1,000万円ゲームのクリアは個人の努力だけで達成するのは困難だと考えています。

仕事の上下はありませんが、年収1,000万円を目指すのであれば市場での価値が高い業務に従事するのがオススメです。

実際に私も、年収1,000万円を稼げるようになったのは、 転職をしてゲーム戦略を変更したのがキッカケでした。

同じ仕事をしていても、環境で年収が変わることを実感したのです。

私の従事する電気工事業界であれば、電気工事の他に消防設備や土木工事を手掛けることでプレイヤーとしての価値を高めてきました。

消防設備士であれば「①消防検査クリアゲームをする」と「②人を束ねる役目」の「ダブル成果最大化プレイヤー」になる上記の2つの要素が環境を変化させる最大のポイントになるでしょう。

②の人を束ねるためには組織の中で上がっていかなければなりませんが、 ①消防検査クリアゲームをするのは会社を変えれば即環境が変わります。

いきなり1,000万円!とは言いませんが、あなたの年収アップのプラスになりますよ。

参考電気工事士デポリベルタ@電気工事士ブロガー(@liberta0101)

年収1,000万円を稼いでいる電気工事士のリベルタ様は「プレイヤーとしての価値を高めたこと」に加えて、その「価値が発揮できる業務に従事できる会社に転職したこと」の二つが年収1,000万円を稼ぐ上でのポイントになったと実体験ベースで仰っています。

もし年収1,000万円を達成したいが、今いる会社では無理ゲーだと分かっている方は転職の準備もしておきましょう。

参考消防士・消防設備士の転職が難しい理由|後悔しない転職方法も解説!

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◎ 年収1,000万円超え消防設備士になる方法

まとめると、年収1,000万円プレイヤー消防設備士になるためには以下のキャリアを積む必要があります。


  • 消防検査クリアゲームができる防災屋に勤務する

    もし年収1,000万円を狙いたいのに機器取付ゲームをしている会社で消防設備士をしているのならば転職する。


  • 組織内で管理業務を担う管理職に出世する

    求められている管理業務の立ち回りをして管理職および役員になって組織が得る成果を最大化する役目となる。


  • ダブル成果最大化プレイヤーになる

    現場のセコカン業務をすることで消防検査クリアゲームをするだけでなく、組織内でも人を束ねる役目を担う。



ほな現場からは以上です、また!

◎ まとめ

  • 消防設備士の年収は300~400万円が相場であり、消防設備士が年収1,000万円を稼ぐのは「困難」だが、年収1,000万円以上稼いでいる消防設備士がいることを管理人は知っていた。
  • 年収1,000万円超えの消防設備士は「②消防検査クリアゲーム」において百戦錬磨であり関西No.1とも言われている方であった。
  • 消防設備士として現場のセコカン業務をすることで消防検査クリアゲームをするだけでなく、組織内でも人を束ねる役目を担う「ダブル成果最大化プレイヤー」になれば、より年収1,000万円以上を稼ぐ消防設備士になりやすかった。
  • この記事を書いた人

管理人

【経歴】鈴鹿高専材料工学科 ⇒ 静岡大学工学部(3年次編入学) ⇒ 院 ⇒ 鈴与㈱ ⇒ 某A防災㈱ ⇒ 青木マーケ㈱※独立
【保有資格】消防設備士全類・危険物取扱者全類・第二種電気工事士・工事担任者(AI・DD総合種)・第三種電気主任技術者
【主な活動】月刊誌「電気と工事(オーム社)」コラム執筆・ブログ(月間40万PV)・YouTubeチャンネル「強欲な青木&消防設備士」の動画作成

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