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火災報知器が誤作動していると連絡があって現地確認したら本当に火事だった話

火災報知器 誤作動

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先日、弊社の消防点検先のビルオーナー様より、以下の様な電話がありました。

☎:『また火災報知器が誤作動で鳴っとるみたいやから、ちょっと見に行ってくれへんか?』

強欲な青木
あれれー、この建物‥確か以前に管理人も自動火災報知設備の誤報対応をしてた気がするよー。
ハイ。その際は誤作動している熱感知器を特定し、交換するといった改修をしました。
管理人

そんなワケで『(今回も誤報か‥)』と高を括り、ちょうど当該建物から5分圏内にいた松本部長に対応をお願いしました。

強欲な青木
『もしもし‥現場どんな感じでしょうか?』
誤報と違ってホンマの火災やったで…小火(ボヤ)やけど消防車何台も来てるわ。』
松本さん 青木防災㈱
松本さん

((((;゚Д゚))))

 

幸い、ほとんど火災の被害は無かった様で安心しましたが、今一度「もし火災報知器が鳴ったら‥」を確認しておきましょう。

 

火災報知器が誤作動していると連絡があって現地確認したら本当に火事でした

◎ まず出火場所を確認!

火災報知器が作動した際の音響ベルまたは音声が鳴り響いた際は、誤作動だと高を括らずに現地の出火場所を確認しましょう。

火災受信所で出火場所を確認!

以下の「火災受信所」の標識が掲げられている箇所に、自動火災報知設備の制御盤である受信機が設けられています。

火災受信所 標識

ここにある受信機上で、例えば「④2階西」といった具合で火災報知器が作動しているエリアを確認できます。

自動火災報知設備 受信機

参考“火災受信所”の標識を探して下さい!受信機の交換工事㊙

また現場確認の際は、すぐ初期消火できるように消火器を持って駆けつける様にしましょう。

初期消火には消火器が有効!

消防訓練時にも『火災報知機が鳴ったら、消火器を持って現場を確認‥』と指導している通り、火災の被害を軽減する為には消火器を用いた初期消火が大変有効です。

参考火災報知機の止め方は?音の種類って?

 

◎ 119番通報 or 防災屋に連絡

 

火災が発生していた場合

もし火災が発生していた場合は、必ず119番通報しましょう。

小火(ボヤ)は消防署に通報すべき?

消防法第24条〔火災発見の通報〕“通報しなければならない” と謳われています。

小火ボヤでも消防車を呼ぶ

なぜ通報すべきかという根拠については、以下の点が挙げられます。

  • 同様の火災リスクが無いか、再発防止の為に消防署の方は調査しなければならない。
  • もし初期消火できたと思っていても、本当に鎮火できているかは素人目では分からない場合がある。

また、実際のところは設備の誤作動も多く、消防署の方は “出動=火事” だとは認識していない為、遠慮せず通報すべきなのです。

参考小火(ボヤ)は消防署に通報すべき?

 

非火災報(誤作動など)であった場合

また現地を確認した結果、非火災報であったならば弊社の様な消防点検業者(防災屋)等に連絡しましょう。

参考
大阪 消防点検 業者
【よくある質問】大阪の消防点検業者を探すには?プロ目線で徹底解説!

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火災報知器の音の止め方は?

受信機上には各メーカー毎に仕様は異なるものの、分かりやすい位置に「主音響停止」および「地区音響停止」のボタン及びレバースイッチが設置されています。

受信機の音と建物全体の音響装置の音

ボタンを押す or レバーを停止側にすると、音は止まります。

バレたマスケ
バレたマスケ
えっ、音響を停止したのに‥また時間が経ったら鳴り出すけどコレ何なの!?
現行の自動火災報知設備一定時間を経過すると再び地区音響が鳴動する “再鳴動機能” ってのがあるんですよ。
管理人
強欲な青木
んじゃ、消防点検の時とか‥どうやって音ずっと停止してんの!?
消防用設備点検時など「やむを得ない場合」は “地区音響強制停止” の措置をしています。㊙
管理人

よって、自動火災報知設備が誤作動して鳴ってしまった場合は我々の様な消防点検業者(防災屋)に連絡して下さいませ。

 

◎ 火災を予防するには…

火災を予防する為には「一人一人が火災リスクを想像できるかどうか」が重要ではないでしょうか。

今回、火災報知器の誤作動だと認識して現地に行った結果、実火災だったという出来事があった際、以下の様な感情がブワッと沸き上がりました。

『(まぁ、大した火災被害ではないだろう‥)』

危険な感情だなと思いました。

その時の自分の気持ちの裏には、大きな被害があった場合を想定したくない為に『(どうせ‥大したことない)』みたいな過小評価をして安心したがる部分があったと自覚できました。

人間って、そうやって自分の都合のいい方向に考える様にできてるんですよね。

 

“防災”対策をしないヒトの心理

多くのヒトがもつ “都合の良いウソ” を乗り越える手段として、消防法を厳しく…等の行政による強制には限界があることが分かってきています。

防災-心理学

行動経済学におけるナッジ(肘でつつく)” は法の規制や経済的報酬による力でなく “本人の自由意志を誘導” することで選択を良い方向に持っていくという概念であり、消防・防災分野の発展を考える上で役立つものだと考えています。

参考“防災”対策をしないヒトの心理へのアプローチ

ですから、根拠も無しに『(自分は大丈夫‥)』と危険な感情を抱きたがる自分と向き合いましょう。

そして再度『いやいや、大丈夫じゃないわ。』と思い直して火災予防に取り組んで頂きたいです。

消防署予防課のタマスケ
予防タマスケ
あとは、火災が起こり得る事例について予め知っておくというのも大切でしょうか。
例えば「ストーブを使用している状態でロボット掃除機を起動させると火災リスクある」とかって、知らないと予知し難いですよね。
管理人

我々消防設備士は特に、定期的に「点検先の建物で火災が発生した」とか「火災現場の消防用設備等を復旧して欲しい」等の依頼が来ることもあり、皆様より身近で火災の恐ろしさというのを認知できています。

そして今日も、どこかで火災が起こっています。

どうか皆様の大切な人の命を守る為にも、防火管理についてご理解ご協力お願い致します。

 

◎ まとめ

  • 弊社の消防点検先のビルオーナー様より火災報知器が誤作動で鳴っていると連絡があり、現地確認したところ実火災で消防車が駆けつけていた。
  • ほとんど火災の被害は無かった様で安心したが、今一度「もし火災報知器が鳴ったら‥」を確認した。
  • 火災報知器が鳴ったら誤作動だと高を括らずに現地の出火場所を確認し、すぐ初期消火できるように消火器を持って駆けつける様にすべきであった。
  • この記事を書いた人

管理人

【経歴】鈴鹿高専材料工学科 ⇒ 静岡大学工学部(3年次編入学) ⇒ 院 ⇒ 鈴与㈱ ⇒ 某A防災㈱ ⇒ 青木マーケ㈱※独立
【保有資格】消防設備士全類・危険物取扱者全類・第二種電気工事士・工事担任者(AI・DD総合種)・第三種電気主任技術者
【主な活動】月刊誌「電気と工事(オーム社)」コラム執筆・ブログ(月間40万PV)・YouTubeチャンネル「強欲な青木&消防設備士」の動画作成

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