改修

【調査結果】なぜ消防用設備点検後に複数の断線が出たのか【解決済!】

自火報 断線 原因

https://aokibosai.jp

お悩みタマスケ
お悩みタマスケ
消防用設備点検の翌日の朝、受信機上で4つの警戒区域で断線表示が出ていた』って連絡が‥なんで!?
通常は点検したからといって断線が出るなんてこと無いので、何か現場特有の原因などのウラがありそうですね。
管理人

 

上述した通り弊社で消防用設備点検をした建物で、その翌日に計4箇所の断線表示が出るという奇妙な現象が起こっていました。

前提条件

  • 消防用設備点検が終了した後、翌日の朝に計4箇所の断線表示が出ていた。
  • 点検時は、自動火災報知設備に不具合は無く全数の作動が確認されていた。
  • 誘導灯ブレーカー入り切り時、他の照明類ブレーカーも落ちる現象が起こっていた。
  • 他の照明類ブレーカー原因調査の為、同じタイミングで電気屋さんも入っていた。
  • お客様は出来るだけ早く正常復旧を望んでおり、急ぎの案件であった。

上記の案件対応を管理人が行い、無事復旧に至るまでの経緯を紹介していきます。

 

なぜ消防用設備点検後に複数の断線が出たのか

◎ トラブル対応の背景

受信機スピーカー 抜く

弊社の点検部が消防用設備点検を行った翌日の朝、お客様より『受信機で警戒番号4・5・6・7の断線表示が出ている』と連絡がありました。

その一次対応については現地で点検した社員が対応していたのですが、他の現場に行かなければならないので断線復旧の為に現地調査をする時間が確保できない!…ってなワケで管理人がピンチヒッターとして起用されたのです。

囚人T
囚人T
管理人‥、お前「ゴネた」らしいな。
一応『ぼ、ぼく現場行ったことないし実際に点検した人が行った方がスムーズなんじゃないでしょうか(ヲタク特有の早口)』的な発言をして難色を示してはみたのですが、大切なお客様の急ぎ案件だったこともあり一蹴されました。
管理人

 

◎ いざ現地調査へ

副受信機

実況タマスケ
実況タマスケ
おーっと!建物に足を踏み入れた瞬間、エントランスの副受信機で断線が確認されたぁーーッ!!(受信機は事務所3階)
那田蜘蛛山に入る前の善逸のゾッとする気持ち(※鬼滅の刃ネタ)が分かりましたよ‥、少し前まで『実は断線って勘違いでしたぁ♪』みたいな展開に期待していたのに‥。
管理人

 

※その後、無事に心を切り替えて元気よく担当者様に挨拶をし、現地調査を開始しました。

 

受信機内

受信機内 配線

おそらく断線の出方からしてコモン(共通線:C)にエラーが出ているのではないかと検討をつけていたので、受信機内のコモンを確認してみました。

コモン(共通線)とは‥火災報知器はプラス+とマイナス-が短絡(くっつく)と作動する仕組みとなっており、そのマイナス-をコモン(共通線:C)という。
プラス+はライン(表示線:L)であり、コモン(共通線:C)1本に対して7本までライン(表示線:L)をペアにして警戒区域を設定できる。

 

結線タマスケ
結線タマスケ
なるほど、今回は計4箇所の断線が同時に出ていたのでライン(表示線:L)が4つペアになったコモン(共通線:C)1本などに不具合があった場合が想定できたのですね。
ライン(表示線:L)が4つだけキレイに断線する‥みたいな確率よりは、コモン(共通線:C)1本に何らかの不具合があったと推測するのが自然でしょう。
管理人

 

コモン表

コモン表

コモン(共通線:C)とペアになっているライン(表示線:L)は、表にして受信機内に掲げてあるので確認します。

検閲タマスケ
検閲タマスケ
このコモン表が無いと、パッと見で『どれがペアなってんねん!』ってな具合になりますわな。
‥っていうかですね、コモン(共通線:C)1本に対して7本までライン(表示線:L)使えるのに細かく分けすぎでしょ!
管理人
理論武装タマスケ
武装タマスケ
計9本のライン(表示線:L)ですから「C1に1・2・3・4・5・6・7、C2に8・9」ってコモン(共通線:C)2本で済ませることができて、あとのC3・C4・C5は予備線として温存できるのに‥。
でもアンタ‥、温存されずに去勢されてますからァ!!残念ッ!!
管理人

 

受信機内の電線について、特に断線の原因となってそうな箇所は見受けられませんでした。

 

各階の終端抵抗

ニッタンCRE 終端

次に、断線表示が出る原因となり得る「終端抵抗」が適切に接続されているかを確認してみました。

終端抵抗とは‥自動火災報知設備の回路は “送り配線” という一筆書きで敷設されており、その最後尾に接続する電気的な壁。

終端抵抗を接続してやることで、受信機(大元の制御盤)側で『おっ、ちゃんと終端抵抗が存在している断線なしヨシ!』と断線しているかどうかを検知できる仕組みになっています。

発信機終端

大阪のオバタマ
大阪のオバタマ
なんや断線表示が出てた階も発信機(強く押すアレ)の裏にキッチリ終端抵抗刺さってたみたいやん。
こちらも正直、消防用設備点検したからといって終端抵抗が外れるみたいな現象が起こることは考えにくいのですが念の為‥。
管理人

 

図面類を確認してみる

平面詳細図 自火報

点検タマスケ
今回、実は既存お客様の新規物件であった為、消防用設備点検も図面を見ながら行っていたのですよ。
その情報を引き継ぎ、確認しながらの現地調査でしたので例えば終端抵抗の位置なんかも即わかりました。
管理人

大ヒントが、電気回路の系統図にありました(※もうちょい早く見ろ等のツッコミは一切受け付けません)。

電気回路 系統図

名探偵タマスケ
名探偵タマスケ
あれれー。この建物って3階から上の各部屋へ別々に幹線が敷設されているみたいだよー。
そうそう「1階が駐車場で2・3階が事務所、4~7階が共同住宅なので多分(16)項ロ」かな…。

あ、遠隔試験用の中継器あるわ。

管理人

ニッタン 中継器

参考NITTAN 遠隔試験用中継器

 

◎ メーカーの友人に電話

電話

電話タマスケ
電話タマスケ
しもしも~?
もしもし、今電話大丈夫ですか?
管理人
電話タマスケ
電話タマスケ
消防点検中やけど大丈夫やでー、どした?
共同住宅用の中継器類ってヒューズとか入ってるんですか?‥住戸部分の警戒のみ断線表示出てまして。
管理人
電話タマスケ
電話タマスケ
んー、ちょっと分からんから聞いてみるわ!

ーーーーー ✂ 数分後 ✂ ーーーーー

しもしも~?
管理人
電話タマスケ
電話タマスケ
中継器ん中にヒューズは無いみたい。

やけどバッテリーの盤あって、そっから電源供給されていないと受信機上で断線出るみたいよ。

盤ッ!?‥そういえば見かけたような。
管理人
電話タマスケ
電話タマスケ
それ確認してみて。んじゃバイビ~。

 

点検時に起きていた「もう一つのトラブル」

自火報と誘導灯それぞれ専用の電源ブレーカー

実は消防点検時に「誘導灯のブレーカーを入り切りしていたら、他の照明類のブレーカーが落ちた。」という不可解な現象が起こっていました。

その対応をする為に、電気屋さんも現地に駆けつけており色々調査されていました。

噂タマスケ
噂タマスケ
自火報の調査しなきゃならんのに、色々聞かれていたね。
しかも点検時に自分が居たわけではないので、電話で状況を聞いては伝えるという手間が‥。
管理人

自火報の断線調査をしている際、電気屋さんがEPS内で色々されているのを傍目に見ていた時にパッと盤っぽいものが視界に入っていたのを思い出しました。

EPSとは‥Electric Pipe Space /Shaft(エレクトリック パイプ スペースまたはエレクトリック パイプ シャフト)の略で、電気の配線や配管を通すスペースのこと。

 

『(‥アレだ!)』と半ば確信して、EPSへ足を運びました。

 

蓄電池設備の盤を確認すると‥

共同住宅用自火報 蓄電池盤

ネコギマリ
ネコギマリ
0Vやんけ!断線原因みつけたぁぁーッ!!
いや、何でこんなことになんねんって話ですよ。
管理人

 

分電盤のブレーカーを確認すると、赤いハンドルロックがされていたものの中のブレーカーは落ちていました。

中継器用 ブレーカー

絶望タマスケ
絶望タマスケ
赤いハンドルロックの中で、実質OFFの状態に‥。
あの「誘導灯ブレーカー入り切りの際、照明が落ちた不可解なトラブル」の時に、この “自火報中継器用” のブレーカーも落ちていたのか。
管理人

 

消防用設備点検時にブレーカーが落ちてしまっていたものの、予備電源で駆動していたので断線表示が出るまでに時差が生じていたのです。

 

ここに注意!

赤いハンドルロックは「ブレーカーを切らない!」という目印なだけで、中のブレーカーはOFFになるので見た目で判断しない。

ブレーカーをONにして蓄電池設備の盤を確認すると、電圧計の針が24Vあたりを指していました。

蓄電池設備の盤 電圧計

 

その後、おそるおそる受信機を確認すると‥無事に断線表示が消えていました!

受信機 復旧

 

よって、断線表示の原因は「自火報の中継器ブレーカーが落ちていたから」でした。

タマスケ博士
タマスケ博士
“断線” の現地調査では、ついつい電線や終端抵抗といった配線上の不良に目線が行きがちじゃのぉ。
現場で発生した別のトラブル由来で、結果的に自火報の中継器に電源が供給されていなかった‥という “断線” パターンもあるのですね。
管理人
化学タマスケ
化学タマスケ
つまり『幾何の問題と見せかけて、実は関数の問題‥』みたいなことが起こっていたワケですか。
‥実に面白い。
いや管理人が無知だった故に遠回りしていただけで、コレ原因がパッと分かる人やったら3分で作業終了してる案件やで。
管理人
ヤバいタマスケ
ヤバいタマスケ
ちなみに何時間かけたん?
2時間。
管理人
タマスケ広報課長
3Dタマスケ
え、映画一本分‥ゲロンチョリー!

 

同様の断線表示に遭遇された消防設備士の皆様は、是非3分で解決して速やかに現場から離れて下さい。

 

◎ まとめ

  • 消防用設備点検が終了した翌日の朝に計4箇所の断線表示が出ており、その案件対応を管理人が行って無事復旧に至るまでの経緯を紹介した。
  • 一通り断線調査をするも原因がハッキリ分からずメーカーの友人に聞いたところ、自火報中継器用の電源が落ちていると断線表示が出ることが分かった。
  • 「誘導灯のブレーカーを入り切りしていたら、他の照明類のブレーカーが落ちた。」という不可解な現象が起こっており自火報中継器用のブレーカーも実は落ちてしまっていたものの、予備電源で駆動していたので断線表示が出るまでに時差が生じていた。
  • この記事を書いた人

管理人

【経歴】鈴鹿高専材料工学科 ⇒ 静岡大学工学部(3年次編入学) ⇒ 院 ⇒ 鈴与㈱ ⇒ 青木防災㈱
【保有資格】消防設備士全類・第二種電気工事士・工事担任者(AI・DD総合種)・第三種電気主任技術者
【主な活動】月刊誌「電気と工事(オーム社)」コラム執筆・ブログ(月間40万PV)・Twitter企業アカウント(フォロワー数3.4万人)の運営

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