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垂直式救助袋の消防検査

垂直式救助袋 消防検査

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お悩みタマスケ
お悩みタマスケ
垂直式救助袋を設置したけど‥消防検査って何が確認されるの!?
先日(6)項ハ デイサービスの消防検査が完了したから、その模様を紹介していきますね!
管理人

今回、2階建ての(6)項ハ デイサービスで、2階の収容人員が20人を超えた為、避難器具の設置義務が生じていました。

(6)項ハ における避難器具の設置基準

令別表第一(6)項イ 病院・(6)項ロ 老人ホームなど・(6)項ハ デイサービス及び(6)項二 幼稚園などの2階以上の階または地階で収容人員20人以上のものには、階ごとに下表の避難器具を設けます。

地階2階3階4階または5階6階~10階
 

避難はしご

避難用タラップ

滑り台

避難はしご

救助袋

緩降機

避難橋

避難タラップ

滑り台

救助袋

緩降機

避難橋

 

滑り台

救助袋

緩降機

避難橋

 

滑り台

救助袋

避難橋

 

今回、緩降機による避難が現実的では無い為、例え2階であっても救助袋の設置が望ましいという指導により垂直式救助袋の設置をするに至りました。

参考避難器具の設置基準消防署に緩降機を斜降式救助袋へ変更する指導を受けた件について

本文中に動画が複数ある為、ロードが遅延して画面が白くなる可能性があります。分かりやすい映像がご覧頂けますので、少しお待ち下さいませ。

 

垂直式救助袋の消防検査

◎ 垂直式救助袋の型番確認

救助袋の設置前に所轄消防署へ提出している着工届に添付した機器図の製品と相違ないかを確認します。

垂直式救助袋 型番 メーカー

また、救助袋は告示基準を満たした製品しか消防法上で “救助袋” として認められない為、その証である認定マークが付されているかも確認します。

「認定マーク」とは‥

告示基準に適合した救助袋には、認定マークを表示します。

救助袋 認定マーク

参考【消防設備士】甲種5類の試験問題【規格・省令】

 

◎ 垂直式救助袋の展張(使い方)確認

実際に設置された垂直式救助袋が展張できるかを確認します。

垂直式救助袋 使い方

特に新設の建物は救助袋を設置した後に、展張を妨げる “何か” が設置される可能性もあるので現地での展張確認は必須です。

ヤバいタマスケ
ヤバいタマスケ
その “何か” って‥例えば?
例えば、救助袋の真下に降下障害となるエアコンの室外機とか自販機とか物体Xとかが‥。
管理人

 

◎ アンカーボルト締付けトルク試験

アンカーボルトで床面に固定してある救助袋や緩降機は、その締付けトルクの強さが規定値以上かを試験します。

締付けトルク 救助袋

今回、計算上 “30.2 kN程度” であると求められた為、それを満たしているかどうかをトルクレンチで測定していきました。

救助袋 締付け トルク試験

締付けトルクの計算式

【計算式】

公式:T = 0.24 × D × N より

締め付けトルクT(単位:kgf・cm)が求められます。

(D:ボルト径cm、N:試験荷重)

参考やや埋まり緩降機

 

◎ 垂直式救助袋の降下試験は怖い?

実際に垂直式救助袋を使って地上へ避難することを想定した “降下試験” をします。

垂直式救助袋 降下試験 怖い

ご覧の通り、救助袋での降下中は白い帆布で周囲の景色は真っ白で何も見えない為、怖いことはありません。

点検タマスケ
強いて言えば、救助袋との摩擦で皮膚がヤケドする可能性あるから、それが怖い。
有事の際は “擦り傷” でワーワー言うてられへんけど‥こういう試験ではちゃんと気ぃつけな、その晩のお風呂で痛い思いせなアカンようなってまうから注意ですな。
管理人

もしかしたら “怖い” と思う方もいらっしゃるかも知れません‥不安な方は念入りに訓練しておきましょう!

 

斜降式救助袋は怖い?

垂直式救助袋は “ブリブリ” と下に降りていきますが、斜降式救助袋は滑り台の様に “シャーッ” と降りていきます。

斜降式救助袋を展張

滑り台は怖くなければ、斜降式救助袋も “怖い” とは感じないでしょう。

参考斜降式救助袋の改修工事&降下試験

 

◎ 垂直式救助袋の設置基準

例えば救助袋の最下部と降着面の高さが50cm以内になっているか等、垂直式救助袋が設置基準に従って設置されているかを確認します。

救助袋 下段 50cm

消防法施行規則第27条の第9号で謳われている消防庁官が定める基準である、避難器具設置基準告示第3第3号にて以下の通り、設置上の要件が定められています。

  • 救助袋を使用状態にした場合における当該救助袋の最下部から降着面等までの高さは、0.5m 以下であること。

参考(7)項 学校の救助袋ボロボロ問題

特に今回は “降下空間” について、やむを得ず手動の排煙窓と救助袋の間隔を50cm以上空けられないことが設計当初より分かっていた為、現地を確認した上で避難に際して支障が無いかが入念にチェックされました。

垂直式救助袋 設置基準

垂直式救助袋の降下空間

降下空間とは、避難器具を使用できる状態にした場合に、当該避難器具の設置階から地盤面その他の降着面までの当該避難器具の周囲に保有しなければならない避難上必要な空間をいいます。

垂直式救助袋 降下空間

本来、救助袋と突起物の先端の感覚は50cm以上なければなりませんが、今回の建物条件的に厳しかったので特例扱いとして設置が認められています。

参考表3 避難器具の降下空間避難器具が設置できない箇所の特例

 

◎ 標識類の確認

避難器具類に必要な標識については、前ブログ “【保存版】避難器具にまつわる標識類の設置基準” をご参照下さいませ。

避難器具にまつわる標識類
参考【保存版】避難器具にまつわる標識類の設置基準

続きを見る

消防検査時に標識が無ければ、後日写真提出(面倒)になるので準備しておきましょう。

 

◎ 片付け

消防検査が無事終了したら、お客様の建物ですから綺麗に復旧します。

手動排煙口 閉鎖

自由のタマスケ
自由のタマスケ
消防検査が無事に終了した時‥それは、消防設備士が最も安堵の気持ちに包まれる時。
今回の現場は幾つか宿題が出ましたが、お客様の納期には間に合いそうで良かったです。
管理人

救助袋を含む消防用設備等の設計・施工およびメンテナンスは青木防災㈱にお任せ下さいませ!

 

◎ まとめ

  • (6)項ハ デイサービスの消防検査が完了し、設置していた垂直式救助袋の確認項目について解説した。
  • 垂直式救助袋の “型番” や “展張” で使い方を確認し、アンカーボルトの締付けトルク試験や降下試験で安全性を確認した。
  • 特に今回は “降下空間” について、やむを得ず手動の排煙窓と救助袋の間隔を50cm以上空けられないことが設計当初より分かっていた為、現地を確認した上で避難に際して支障が無いかが入念にチェックされた。
  • この記事を書いた人

管理人

【経歴】鈴鹿高専材料工学科 ⇒ 静岡大学工学部(3年次編入学) ⇒ 院 ⇒ 鈴与㈱ ⇒ 青木防災㈱【保有資格】消防設備士全類・第二種電気工事士・工事担任者(AI・DD総合種)・第三種電気主任技術者【主な活動】月刊誌「電気と工事(オーム社)」コラム執筆・ブログ(月間25万PV)・Twitter企業アカウント(フォロワー数3.2万人)の運営

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