消防設備士 点検

絶縁抵抗と接地抵抗の違いと測定方法

絶縁抵抗と接地抵抗の違いと測定方法

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お悩みタマスケ
お悩みタマスケ
「絶縁抵抗」とか「接地抵抗」って何なの‥どうやって測定するの⁉
消防設備士の実務にも関わる大事な部分ですから、丁寧に説明していきますね!
管理人

先日、大阪府立消防学校にて誘導灯の配線および機器改修工事を弊社が担当しました。
大阪府立消防学校
参考予防技術検定ってのを受けてみた結果…

その際に、設置後の絶縁抵抗および接地抵抗試験を実施したので、その模様を紹介させて頂きます。

大阪のオバタマ
大阪のオバタマ
大阪府立消防学校って管理人アンタ “予防技術検定” 受けに行ってたとこやんか。
そうそう‥消防士さん達が集結する中でアウェイの洗礼浴びながら受験してましたね。
管理人

特に『消防設備士してるけど‥絶縁抵抗とか接地抵抗ってチョット何言ってるか分かんない』って方は熟読して頂いた上、実務で絶縁抵抗や接地抵抗を測定する際のマニュアルの一つとしてご利用下さいませ。

 

絶縁抵抗と接地抵抗の違いと測定方法

◎ 絶縁抵抗と接地抵抗の違い

絶縁抵抗と接地抵抗をシンプルに表現すると、以下の通りです。

絶縁抵抗‥電気の漏れにくさ

接地抵抗‥漏れた電気が流れる逃げ道の通りにくさ

電気が漏れないように “絶縁” していて、もし電気が漏れた場合の逃げ道として “接地” をしています。

結線タマスケ
結線タマスケ
絶縁抵抗と接地抵抗それぞれ規定値がありますので、それを満たしているかを試験します。
もし絶縁や接地が適切にされていなければ火災の原因にもなるので、しっかり測定しましょう!
管理人

一般的に、絶縁抵抗の値は高いほどよく、接地抵抗は低いほうがいいです。

 

絶縁抵抗の規定値

絶縁抵抗値は電気設備に関する技術基準を定める省令の第58条(低圧の電路の絶縁性能)にて以下の通り規定されています。

第五十八条 電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の表の上欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以上でなければならない。

電路の使用電圧の区分
絶縁抵抗値
300V以下
対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。)が150V以下の場合
0.1MΩ
その他の場合
0.2MΩ
300Vを超えるもの
0.4MΩ

参考電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条(低圧の電路の絶縁性能)

絶縁抵抗値の単位は「MΩ(メガオーム)」と大きな抵抗値になっています。

電柱タマスケ
電柱タマスケ
絶縁抵抗値のMΩ(メガオーム)を測定するから、絶縁抵抗計はメガーって呼ばれてるよね。
目が、目がぁ〜!
管理人
占い師タマスケ
こういう絶対面白くないって分かりきってるオヤジギャグ的なの言い出したら終わりやで。

例えば使用電圧150V以下の場合、絶縁抵抗値は0.1MΩ以上であるかを測定します。

 

接地抵抗の規定値

接地抵抗値は、使用電圧ごとに規定されている接地工事の種別毎に規定されています。

接地工事の種別

電気設備技術基準の解釈 第29条に使用電圧の区分に応じて施す接地工事について以下の通り規定されています。

接地工事の種別

ちなみに高圧電路と低圧電路を結合する変圧器に施すB種接地工事もあります。

参考電気設備技術基準の解釈

よって消防設備士が主に取り扱う機器類についてはD種接地工事が施されていることになります。

接地工事の種別毎に規定された接地抵抗値は以下の通りです。

接地工事の種別接地抵抗値
A種10Ω以下
B種150/IΩ以下
C種10Ω以下
D種100Ω以下

参考電気設備技術基準の解釈

使用電圧が大きいほど電気が漏れた場合の危険度が高い為、接地抵抗値も小さくしなければならない規定になっています。

勉強タマスケ
勉強タマスケ
この辺りの話は確か第二種電気工事士の勉強やってるときにも少しかじった気が‥。
電験三種でも出題されますし、電気に携わる者であれば理解が必須となる部分ですね。
管理人
点検タマスケ
もちろん消防設備士も電気に携わる者に含まれます。

では続いて、絶縁抵抗と接地抵抗の測定方法をみていきましょう。

 

◎ 絶縁抵抗と接地抵抗の測定方法

設置届に添付する配線の試験結果報告書には接地抵抗値および絶縁抵抗値を記入する箇所がある為、各種機能試験を実施して数字を記入する必要があります。

配線の試験結果

参考【記入例も紹介】誘導灯の設置届を作成・提出するために必要な資格は?

消防署予防課のタマスケ
予防タマスケ
消防用設備点検の総合点検時に実施する配線の点検結果にも、絶縁抵抗値を記入する箇所があるよね。
非常電源の点検票には接地抵抗値も記入欄あるので、消防設備士の実務中でも定期的に実施するルールです。
管理人

配線点検票

非常電源 点検票

参考配線点検票非常電源(非常電源専用受電設備)点検票

 

絶縁抵抗測定

上述した通り、絶縁抵抗測定はメガー(絶縁抵抗計)を用いて行います。

絶縁抵抗計 メガー

step
1
測定する回路のブレーカーを落とす

ブレーカー 落とす

 

step
2
クランプをアース端子台に接続する

絶縁抵抗計 クランプ アース接続

 

step
3
分電盤自体のアースを確認する

分電盤 アース 絶縁抵抗測定

この段階でメガーの指針が大きく右に動いた場合、分電盤自体の絶縁がされていないので接地回路を確認する必要があります。

ヤバいタマスケ
ヤバいタマスケ
前に分電盤自体に電気流れてるヤバイ状態のとこあったよな。。
扉触ったら『痛ッ!』ってなるヤバイやつ‥電気主任技術者さんに報告や。
管理人

 

step
4
測定する回路の二次側に電極を当てる

絶縁抵抗測定 ブレーカー二次側

ブレーカー二次側の端子が劣化し、うまく測定できない場合は電線を外して直接電極を当てることもあります。

 

step
5
メガーの測定値を確認する

絶縁抵抗測定 メガー 値

赤いボタンをカチッと押すと測定値が表示されます。

タマスケマン
タマスケマン
今回150V以下の回路の絶縁抵抗測定やから、0.1MΩ以上やったらOKですね。
そうなんですけど絶縁抵抗値って大体 “∞” とか、それに近い大きな値になってます。
管理人

今回の絶縁抵抗は測定値が90MΩ程度と読み取れた為、絶縁 “良好” と判定しました。

 

接地抵抗測定(簡易測定)

接地抵抗の測定にはアーステスター(接地抵抗計)を用います。

接地抵抗計 アーステスタ

D種接地の回路のみ以下の簡易測定法による接地抵抗測定が可能である為、今回その模様を紹介していきます。

step
1
分電盤1次側の白(接地側)にクランプを接続

クランプ 分電盤 ニュートラル

これでVVFケーブルの白(White)の接地抵抗値が測定できます。

 

step
2
配線したアースに電極を接続

ボックスアース 接地抵抗測定

今回はボックスアースなる接地方法とした為、接地の取れているジョイントボックスに電極を接続しました。

接地抵抗計にはE(接地極)とPおよびC(補助接地極)と端子が3つあります。

  • 接地‥Earth(アース)
  • 電位‥Potential(ポテンシャル)
  • 電流‥Current(カレント)

D種接地の簡易測定法では、PとCを短絡(ショート)した状態で測定しています。

今回、測定する分電盤1次側の白(接地側)にE(接地極)を、接地側にC(補助接地極)を接続した回路で測定しています。

囚人T
囚人T
えーっと‥接続する電極、逆になってませんか?
回路を作って、その電位差を測るのが接地抵抗測定なので‥これでも値とれます。
管理人

気になる方は通常通り接地側にE(接地極)を、接地抵抗値を測定する側にC(補助接地極)を接続しましょう。

 

step
3
接地抵抗値を読み取る

接地抵抗計 アーステスタ

接地抵抗値が18Ωであり、D種接地工事の接地抵抗値は100Ω以下となっている為、接地 “良好” と判定しました。

 

接地抵抗が異常値に⁉

一回目、接地抵抗を図った際に2,000Ωなる異常な値が計測されました。

接地抵抗計 測定

接地回路を調べたところ‥誘導灯機器内のアース線が未接続の状態でした。

アース線 ジョイント

結線後、再び接地抵抗値を測定したところ上記の通り100Ω以下の18Ωとなり良好に。

設置後に各種試験を法に則って実施することで、施工の “質” が担保される仕組みとなっているのです。

施工管理ネコ
施工管理ネコ
もし消防用設備等の設置後に接地抵抗測定試験をしなければ施工不良に気付かない恐れも‥。
絶縁抵抗値や接地抵抗値の測定は消防法上で実施するルールなので、その通り適切にやりましょう!
管理人

大阪府消防学校の誘導灯改修工事後の回路、絶縁抵抗値および接地抵抗値ともに正常でした!

 

◎ まとめ

  • 大阪府立消防学校にて誘導灯の配線および機器改修工事を弊社が担当し、設置後の絶縁抵抗および接地抵抗試験を実施した模様を紹介した。
  • 絶縁抵抗は「電気の漏れにくさ」であり、接地抵抗は「漏れた電気が流れる逃げ道の通りにくさ」を示す値であった。
  • 設置届に添付する配線の試験結果報告書には接地抵抗値および絶縁抵抗値を記入する箇所がある為、各種機能試験を実施して数字を記入する必要があった。
  • この記事を書いた人

管理人

【経歴】鈴鹿高専材料工学科 ⇒ 静岡大学工学部(3年次編入学) ⇒ 院 ⇒ 鈴与㈱ ⇒ 青木防災㈱【保有資格】消防設備士全類・第二種電気工事士・工事担任者(AI・DD総合種)・第三種電気主任技術者【主な活動】月刊誌「電気と工事(オーム社)」コラム執筆・ブログ(月間25万PV)・Twitter企業アカウント(フォロワー数3.2万人)の運営

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