点検

「リモート消防点検」のニュースについて消防設備士が解説!【DX】

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先日、以下の様なニュースがありました。

消防設備 リモート点検の実証実験 「点検報告率の向上へ」

消火器などの消防設備を、スマホなどを使って指示を受けながら、リモートで点検する実証実験が、吉田町のアパートで行われました。

この実験は、消防設備の保守点検をおこなっている「サンコー防災」が、消防法で義務付けられている店舗や集合住宅などの消防設備の点検報告率を上げていこうと実施しました。

30日は、吉田町のアパートのオーナーが、スマートフォンを使って指示を受けながら、設置してある消火器について消火剤の漏れがないかなどを調べていました。

参考テレしず 県内ニュース

タマスケ博士
Dr. タマ王
実に面白いニュース‥そして、世間では殆ど興味が示されないニュース。
情報量の枠も少なかったっぽいんで、消防設備士として肉付けしていきますね!
管理人

 

「リモート消防点検」のニュースについて消防設備士が解説!

◎ 低水準な消防点検報告率

消防法 第17条の3の3〔消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告〕で規定されている消防点検の報告率は、以下の通りです。

消防点検 報告率

参考ご存知ですか?点検報告率は◯◯%

点検タマ王
全体で5割程度って‥年々微増していってますけど、まだまだ100%への道のりは長そうです。
そして今回のニュースについては “1,000㎡未満報告率” を向上させる為の取り組みだと推測されます。
管理人

現在、特に小規模建物の消防点検報告率が低い!

 

◎ 有資格者による点検が必要な建物

香港 街並み

消防法施行令第36条〔消防用設備等又は特殊消防用設備等について点検を要しない防火対象物〕の第2項にて、以下の通り謳われています。

有資格者による点検が必要な建物は特定防火対象物で延べ面積が1,000㎡もしくは特定一階段等防火対象物非特定防火対象物で延べ面積が1,000㎡のうち消防長又は消防署長が火災予防上必要があると認めて指定するもの

参考消火器の点検は自分で出来る…!?

よって、そもそも建物の延べ面積が1,000㎡なければ消防設備士が点検をしなくてもいいルール(※特定一階段等防火対象物を除く)になっているのです。

「特定一階段等防火対象物」とは‥地階や3階以上の階に特定用途があって、そこから避難階までの階段が1つしかない防火対象物のこと。

参考特定一階段 “等” 防火対象物

データマスケ
データマ王
今回のニュースについては、有資格者である消防設備士が独占業務の一つとしてリモートで消防点検をしたのではないのですか。
あくまで無資格者の消防点検をサポートしたって状況であり、点検結果報告書の「点検者」も建物オーナー様で提出されているはず。
管理人
強欲な青木
けどアンタんとこ延べ面積1,000㎡以下の建物でも仰山やっとるやんか消防点検‥資格いらへんのなら自分らでやるわンなもん!
いや実際のところ‥例えば自動火災報知設備とか設置されていたら点検機器を用意する必要ありますし、何せ面倒でしょう。
管理人
消防署予防課のタマスケ
予防タマスケ
あと無資格者であるオーナー様から消防署へ提出された報告書が、あまりにも杜撰な場合は『業者に頼んで下さい』と指導ある場合も。
消防設備士が従事する “点検” については、「独占業務」で行うものと「手間代行」で行うものがあるって認識で大体相違ないかと。
管理人

延べ面積1,000㎡以下の建物(※特定一階段等防火対象物を除く)は法的に無資格でも消防点検できる!

 

◎ まとめ

  • 消防設備の点検報告率を上げることを志向し、スマホなどを使って指示を受けながらアパートのオーナーがリモートで点検する実証実験がされたというニュースがあった。
  • 消防点検の報告率は全体で5割程度と低水準であり、かつ 小規模建物である“1,000㎡未満報告率” が低いのでを向上させる為の取り組みが求められた。
  • そもそも建物の延べ面積が1,000㎡なければ消防設備士が点検をしなくてもいいルールになっており、無資格者の消防点検を遠隔でサポートするサービスのニーズがあった。
  • この記事を書いた人

管理人

【経歴】鈴鹿高専材料工学科 ⇒ 静岡大学工学部(3年次編入学) ⇒ 院 ⇒ 鈴与㈱ ⇒ 某A防災㈱ ⇒ 青木マーケ㈱※独立
【保有資格】消防設備士全類・危険物取扱者全類・第二種電気工事士・工事担任者(AI・DD総合種)・第三種電気主任技術者
【主な活動】月刊誌「電気と工事(オーム社)」コラム執筆・ブログ(月間40万PV)・YouTubeチャンネル「強欲な青木&消防設備士」の動画作成

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